今までにいくつかの資格取得をしてきた七味おやじです。
昨今、資格取得を推奨する企業は多いのではないでしょうか。私もTOEICに挑戦したり、IT系の資格を取得したり、MBAを取得したりしてきました。
果たして今まで取得した資格が、自分の業務にどれほど活かされているだろうか?疑問に思うこともあります。今回は、インプット重視で資格取得を偏重する社会人の人材育成について記事を書きます。
MBA取得のために大学院に通った話はこちら。
そもそも資格を取得したとしても、それを業務のアウトプットに活かせないとあまり意味がありません。
資格取得のために学んだことの一体何割がアウトプットに繋がっているか?
今一度、冷静に考えてみるとそれほど多くはありません。もちろん、資格取得のために学ぶことは大事です。
しかし、インプットとしての費用や時間に対してアウトプットが計算できないのであれば、その苦労に何の意味があるのか考えるべきです。
例えば、DIYをはじめてその過程をYoutubeに流す人がいます。この場合、すでにアウトプットのイメージはあり、その過程を試行錯誤しながら、調べながら学習していると考えられます。
この場合、資格取得とは無縁かもしれませんが、すごい速度で学習しているのではないでしょうか?
料理やピアノなども同じかも知れません。作りたい料理や弾きたい曲(アウトプット)がイメージできていて、そのアウトプットを出すためにどんな食材が必要か、どんなリズムで鍵盤を叩くかを調べたり、繰り返し練習すること(インプット)で学習しているわけです。
DIYと同様に学習速度は速いように思います。
一方、社会人のリカレント教育はどうでしょうか?考えてみたいと思います。
従業員の能力を図る指標として資格取得を掲げる企業も少なくありません。それしか従業員のポテンシャルを評価する指標がないのかもしれません。裏を返せば、業務への貢献(アウトプット)を正しく評価できていないとも言えます。
ラッキーな環境にいれば頑張らなくても数値は勝手に上がります。逆に、アンラッキーな環境にいればどんなに頑張っても数値は上がらないでしょう。
市場には競争環境、チャネル遷移、経済環境、自社の製品・サービス力など実に多様な要素が複雑に結び付いているので、運・不運がつきまとうことは避けられません。
むしろ、そのような環境要因を見据えて、どう適応していくか?が大事なのであり、それを考えるのはマネージャーを含め経営層なわけです。数値だけを追いかけてもどうにもならないでしょう。
この人事評価が正しく機能しない点が、資格取得を促進する一面としてあると考えています。
ビジネスとして資格が必要であるとすれば、先にそのような仕事や組織を用意して、その中でアウトプットを出しながら学んでいく。その過程に資格取得がある。それが順序だと思います。
しかし実態は、どうしても順序が逆になりがちです。のべつ幕なしで資格取得を推奨し、資格ホルダーが集まったら仕事や組織を用意する。この順序では企業も従業員もloss-lossの関係になります。企業サイドとすれば、ビジネスとしてマネタイズするのに時間がかかりすぎます。従業員としては多大な労力をかけたにも関わらず、仕事につながらないリスクを抱えていることになります。
資格取得を否定はしません。私自身も資格を取得してきました。資格を保有することで得することもたまにあります。
しかし、資格もまた誰かが仕掛けたビジネスであり、資格取得が大事!という作られた風潮にまんまと引っかかるのが得策とは思えません。
働くお父さんや働くお母さんは勤め先から推奨された資格を取得するために教育機関にいくら払うのか?お子さんをもつ親御さんは子供の塾代や習い事にいくら払うのか?なぜ、勉強や教育に関しては企業も家計も金銭感覚がマヒするのか?
謎です。アウトプットをどうイメージしているのか?その資格を取得することで、その試験で高得点を取得することで、その先にどんなアウトプットがあるのか?それは投資対効果に見合うことなのか?
このように考えると、まずイメージすべきはアウトプットのように思います。
そして、以下の関係性を意識することが大事だと思います。
アウトプット>インプット
この関係性を維持しながら学習すると余計な学習コストを払う必要がないのでは?と思います。
アウトプットのイメージは人それぞれ。
資格が必要なものもあれば、そうでもないものもあるかと思います。
アウトプットが具体的にイメージできていれば、できているほどに学習方法もまた具体的になるような気がしますし、投資対効果も上がる気がします。
子供に関しても将来就きたい仕事を具体的にイメージできている方が、投資対効果の良い学習ができるのかもしれません。
私自身も偏差値重視の受験競争を終えて、社会人になってからも資格取得を続けてきた世代です。
自分自身の学びを否定はしませんが、必ずしも投資対効果の良い学習方法とは言えません。英語を10年以上も勉強したにも関わらず、ろくに話せないことがそれを物語っています。
子供たちには、自分の頭で考えてアウトプットに必要な知識や情報や技術を習得する学習をさせるようにしたいものです。
そして、大人もアウトプットから逆算して効率良く学んだ方がいいと思う七味おやじでした。