生活残業というコトバが大嫌いな七味おやじです。
生活残業とは、残業代を稼ぐために従業員が意図的に残業をすることを意味します。生活費を稼ぐためにダラダラ働くことになります。未だに残業時間が長いと頑張っているという間違った暗黙の評価が残っているのも不思議でなりません。
生産性の低い残業が減らない理由はいくつか考えられます。今回はその理由について考えてみたいと思います。
生産性の低い残業が減らない理由
「残業=頑張り」という間違った認識
未だにあります。深夜帯にメールを送って頑張りをアピールしようとするステレオタイプの猛烈社員。このアピールは本当によろしくないと思います。そんなことをしたら、子育てや介護をしながら働いている人の居心地が悪くなるだけです。マネージャーも部下の残業時間を見ながら、余力を図ろうとするケースもあります。会話をしていて耳を疑います。私が若かりし頃はそういう時代でしたが、そのような働き方がが良くないということで働き方改革を進めている部分もあるわけです。同世代にステレオタイプの人が多いのは残念に思います。残業が多い理由は業務量だけではないはずです。無駄な社内会議、読みもしない議事録作成、報告だらけでなんの解決策も生まれない定例会など、時間泥棒の業務が多いのも一因です。それに律儀にお付き合いすることが頑張りなのか、甚だ疑わしいものです。生産性が上がらないのもうなずけます。
収入を増やす手っ取り早い術が残業
悲しいかな、手っ取り早く収入を増やす手段は残業です。一方で、自分の時間を売っているという発想をもってもよいかと思います。ダラダラ残業することは本当に有意義な時間の使い方なのでしょうか?その時間をもっと有意義に使える他の方法はないのでしょうか?一度考えてみてもいいでしょう。フロー型の残業は一時的な収入増を生み出すことができます。ただし、あくまで一時的です。何のストックも生みません。残業を前提とした収入とそれに合わせた生活水準を維持しようと思えば、継続的に残業することになります。このループにハマると抜けることが難しくなる気がします。収入を増やす方法は、共働きであったり、副業であったり、他の術もあるかもしれません。1日24時間は皆に平等です。自分の時間を安売りしていないか振り返ってみてもよいかもしれません。
できる人に仕事が集中する
できる人に仕事が集中するのは昔からだと思います。周囲に頼られているので良いことなのかもしれませんが、程度問題です。明らかに偏った仕事の配分はマネージャーのマネジメント能力の欠落によるものでしょう。右肩上がりの経済成長を遂げているのであれば、それに歯を食いしばって耐えるのも分かります。しかし、失われた30年と言われるぐらいですから、そのような時代は終焉を迎えてると考えた方が妥当です。根性論だけでは何ともならない気がします。仕事の配分を変えてもらう、RPAなどを導入して定型作業を減らすなど合理的な解決策を探す方がよいかもしれません。旧態依然、このような働き方をしている人の方が出世は早い傾向があるかもしれませんが、自分が楽しかどうかを内省してみるのもよいかもしれません。
定時後の会議招集
定時後に会議招集されるケースはなかなか厄介です。本当に意味があり、緊急性の高い会議であれば出席せざるを得ないのですが、経験上そういうケースは稀です。タイムマネジメントに失敗した誰かが慌てふためいて周囲に助けを求めるケースの方が圧倒的に多い気がします。あるいは顧客都合で定時後に会議招集される場合です。とは言え、両者ともにマネジメントの問題だと思います。前者は人を見た方がよさそうです。結構、常習犯の可能性が高い気がします。抱え込んでドボンするタイプの人はどこにでもいます。役割を変更した方が上手くいくかもしれません。後者はトラブルならば避けようながないです。一方で、ものすごく短納期の仕事を受けざるを得ない背景があるならば見直した方がよさそうです。すでに、顧客が無茶を言うことに慣れている場合もあります。利幅を調整するなどの策を考えてみてもよいかもしれません。
入社後・異動後のキャッチアップ
自分の実力不足というケースです。転職後のキャッチアップ、異動後のキャッチアップなどが該当するかと思います。誰しもがこのようなケースに遭遇するかと思います。ここは諦めて、瞬間風速を上げてキャッチアップした方が精神的に楽かもしれません。仕事ができないのに定時上がりを繰り返していると、それはそれで周囲の信用を失います。一定期間は諦めて、絶対投入量に達するまで頑張った方が、仕事が楽しくなるような気がします。仕事ができるようになってから、自分で業務の調整ができます。ただし、スタートダッシュに頑張りすぎると心身によくないので、ほどほどにした方がよさそうです。
まとめ
残業が減らない最大の理由は、人事評価にあると思っています。ただし、人が人を正しく評価する術は本当にあるのだろうか?と懐疑的です。どこか横並びの人事評価になるのもある意味で理解もできます。だから、自社への愛社精神を図る上で残業という指標が都合よいのかもしれませんね。しかし、生産性の低い残業は人件費を増やすだけで、本当は自社の業績を悪くしているだけです。このあたり、合理的に考えて、企業や仕事との距離感を上手くつかんでいく必要があります。
一方で、すべての残業が悪いかと言えば、そんなこともありません。仕事が楽しくて仕方がない。まさにゾーンに入っている時期も一定期間あります。そんなときは、残業しても心身が疲れにくいものです。そのような期間があることはビジネスパーソンとして幸せなことかもしれません。成長のチャンスでもあります。それほど多い機会ではないので、思い切り仕事に打ち込んでみるのもよいかもしれませんね。
「残業=悪」という考え方も偏りすぎていると思います。「生産性の低い残業=悪」ぐらいの認識がちょうどいいと思っています。意味のある残業もありますので、自分で考えて判断していく必要があります。
40年以上続くビジネスパーソンとしての人生、山あり谷ありですので、アクセルとブレーキを上手に使い分けたいと思う七味おやじでした。