苦しいルート営業時代の唯一の楽しみは、昼食だった。

2種目のキャリアがルート営業だった七味おやじです。

今から20年近く前の話になりますが、ルート営業を3年間やりました。

ノルマがキツくて、正直良い思い出があまりありません。

だから、それ以降、営業という職種には就いていません。



人前で話すことは苦手ではありません。どちらかと言うと上手い方だと思います。

しかし、ノルマに迫られ過ぎて、当時は営業の楽しさや醍醐味が全く感じられませんでした。

本当は、営業には営業の楽しさがあるはずです。

その楽しさを知る前に、その辛い部分だけを叩き込まれ、営業という職種に苦手意識をもってしまったことが残念です。

そんな七味おやじですが、ルート営業をしていたときの唯一の楽しみが昼食でした。



ルート営業なので、得意先は決まっています。

担当地区は東京都の千代田区、中央区などでした。

外回りに出かける時にまず考えていたこと、それは今日の昼飯をどうするか?でした。



神保町に行ってカレーにするか、銀座に行って餃子にするか、飯田橋に行ってラーメンにするか。

いや、ラーメンならば神田に行くか、いや、神田に行くならば親子丼という選択肢も。

待てよ、小川町に行って蕎麦にするか、あっさりすぎるか、やっぱり今日はとんかつな気分か・・・などなど。



そう、テレビ東京の「孤独のグルメ」に近い世界です。

流石に、心の呟きこそなかったですが、あの感じがよくわかります。

そんな孤独のグルメもSeason10まで続いています。



ときどき、Amazon Prime Videoで孤独のグルメを見るのですが、家族にはわからないようです。あの楽しさが。

昼飯時、ほんのひととき我がままになる井之頭五郎の気持ち。七味おやじにはよくわかります。

どこかノスタルジーをもって、ボーッと孤独のグルメを見たくなる時があります。



きっと、同じような思いで孤独のグルメを見ているお父さん、多いのではないかと勝手に推測しています。

冷静に考えれば、おじさんがひたすら昼飯食ってる映像を見て、何がおもしろい?と疑問に思う家族の気持ちがわからなくもないです。

でも、そういうことではないのです。

頑張っている自分にご褒美、そんな営業のささやかで幸せなひとときを自分事として愛おしく思えるのではないでしょうか。

あるいは、七味おやじのように、過去の自分と重ね合わせて見ているのかもしれません。



振り返ってみると、ルート営業をしていた3年間で随分、舌が肥えました。

自分の好きなB級グルメを激戦区、東京で食しているので当然です。

テレワークでカップラーメンや袋麺を食している今とは大違いです。

七味おやじ史上、最もグルメな3年間だったと思います。



本日は、雪がちらつく土曜日です。

なんか温かくて上手いものを食べたいと思う、七味おやじでした。

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